物流拠点の入退室管理とは?人と荷物を守るために見直したいポイント【後編】
【物流・配送業界向け】現場運営・品質管理
はじめに
前編では、配送品質は配送中だけで決まるものではなく、入荷、保管、仕分け、積み込み、出庫といった物流拠点での工程も含めて考えることが大切だとお伝えしました。
こうした工程を支えている物流拠点には、従業員やドライバーをはじめ、拠点の運用によっては委託先や取引先など、さまざまな立場の人が出入りします。
そこで考えたいのが、「誰が、どこに入れるのか」という人の出入りの管理です。
荷物の保管場所や仕分けエリア、事務所など、拠点内にはそれぞれ異なる役割を持つ場所があります。すべての場所を同じように管理するのではなく、エリアの用途や業務内容に応じて、必要な人が必要な場所を利用できる環境を整えることが、物流拠点の適切な管理につながります。
後編では、配送品質を支える物流拠点の管理という視点から、入退室管理の必要性や方法、見直す際のポイントをご紹介します。

なぜ物流拠点では人の出入りを管理する必要があるのか

物流拠点では、荷物が入荷してから出庫するまで、さまざまな工程が行われています。そのなかには、荷物の保管場所や仕分けエリアのほか、事務所など、業務上管理が必要となる場所もあります。
また、拠点によっては従業員だけでなく、ドライバーや委託先など、所属や役割の異なる人が出入りする場合があります。
多くの人が業務に関わる環境では、「施設に入れるかどうか」だけでなく、「業務上、どのエリアまで入る必要があるのか」という視点で管理することが大切です。
たとえば、配送のために施設を訪れた人が、荷物の保管場所や事務所まで立ち入る必要があるとは限りません。一方、担当する業務によっては、複数のエリアを行き来する必要がある人もいます。
こうした違いを踏まえず、拠点内を一律に管理しようとすると、必要以上に移動を制限して業務の負担を増やしたり、反対に管理すべき場所への出入りを十分に把握できなかったりする可能性があります。
物流拠点の入退室管理では、まず「誰を制限するか」ではなく、「どの場所を、誰が業務で利用するのか」を整理することが出発点になります。
物流拠点の入退室管理で見直したいポイント
入退室管理というと、出入口の施錠を強化することを思い浮かべるかもしれません。
しかし、物流拠点の管理では、人の動きや業務内容、荷物を扱う場所などを踏まえながら、現場の運用に合った方法を考える必要があります。見直す際には、「どのエリアを管理するのか」「誰が利用するのか」「現在どのように鍵や認証を管理しているのか」「入退室の記録が必要か」という点から整理すると、現状の課題を把握しやすくなります。
物流拠点には、荷物の保管場所、仕分けエリア、事務所など、役割の異なる場所があります。
そのため、拠点全体を同じ基準で管理するのではなく、それぞれの場所について「誰が利用するのか」「何を扱っているのか」「どの程度の管理が必要なのか」を整理していくことが重要です。
たとえば、多くの人が行き来する場所と、限られた担当者だけが利用する場所では、求められる管理方法も異なります。まずは拠点内をエリアごとに整理し、現在どのように人の出入りを管理しているのかを確認すると、見直すべき場所が見えやすくなります。
物理的な鍵を使用している場合は、鍵そのものの管理も確認しておきたいポイントです。
鍵を誰が持っているのか、必要なときに誰が利用できるのか、返却されているかといった管理が担当者任せになっていると、拠点や利用者が増えた際に状況を把握しにくくなることがあります。
また、紛失時の対応や、人員の入れ替わりに伴う鍵の回収なども必要です。
物理鍵が適している場所もあるため、すべてを別の方法に変える必要はありません。現在の鍵の運用が、拠点の規模や利用人数に合っているかを確認することが大切です。
入退室管理では、立ち入りを制限することに加えて、必要に応じて利用状況を確認できることも重要です。
たとえば、荷物の所在を確認する必要が生じた際、その時間帯に対象エリアがどのように利用されていたのかを確認できれば、状況を整理するための手がかりになります。
こうした記録は、従業員の行動を逐一チェックしたり、責任を追及したりするためだけのものではありません。日々の管理状況を確認し、問題が生じた際に事実関係を振り返れる環境を整えておくことで、状況確認を行いやすくなります。
セキュリティを重視するあまり、入退室のたびに複雑な操作や確認が必要になると、現場の負担が増えてしまいます。
特に、人や荷物の動きが多い物流拠点では、管理を強化することと、日々の業務を円滑に進めることの両立が欠かせません。入退室管理を見直す際には、安全性だけでなく、利用する人数や時間帯、手袋の着用、荷物を持った状態での通行など、実際の利用場面まで想定して検討することが大切です。
現場の作業に合った方法を選ぶことで、無理なく運用を続けやすくなります。
物流拠点の入退室管理にはどのような方法がある?
入退室を管理する方法には、物理鍵のほか、カードや暗証番号、電子錠、生体認証などがあります。
それぞれに特徴があり、どの方法が適しているかは、管理する場所や利用人数、求める管理レベルなどによって異なります。
物理鍵は比較的なじみのある管理方法ですが、利用者が多くなると、鍵の受け渡しや保管、紛失時の対応などが必要になります。
カードを利用する方法では、利用者ごとに管理しやすい一方、カードの貸し借りや紛失を想定した運用も必要です。
暗証番号による管理は、鍵やカードを持ち歩かずに利用できますが、番号の共有範囲や変更方法などをあらかじめ決めておく必要があります。
電子錠は、電気的に扉の施錠・解錠を行う仕組みです。認証方法などと組み合わせることで、物理鍵とは異なる方法で出入口を管理できます。導入を検討する際には、扉や設備の状況、利用方法などを確認する必要があります。
顔認証などの生体認証は、カードや鍵を携帯せず、本人の生体情報を使って認証できる点が特徴です。ただし、設置環境や利用方法などを踏まえて、現場に適しているかを検討する必要があります。

大切なのは、特定の方式を導入すること自体を目的にしないことです。
どのエリアを、誰が、どのように利用しているのかを整理したうえで、その場所に合った方法を選ぶことが、無理なく続けられる入退室管理の基本です。
電子錠や顔認証を活用した入退室管理という選択肢
物理鍵による管理では運用が煩雑になりやすく、利用者ごとに入室できる場所を分けたい、入退室の履歴を確認できるようにしたいといった課題を感じている拠点もあるでしょう。
こうした場合には、電子錠や顔認証を活用した入退室管理も選択肢になります。
エイト・シーズでは、入退室管理システムとして「LOCKMAN(ロックマン)」と「FaceWatch(フェイスウォッチ)」を取り扱っています。
電子錠による入退室管理「LOCKMAN」

LOCKMANは、扉の施錠・解錠を電気的に管理する入退室管理システムです。物理的な鍵だけに頼らず、利用者に応じた入室管理を行えるため、拠点内で立ち入り可能なエリアを分けたい場合などに活用できます。たとえば、事務所や管理が必要なエリアなど、「業務上必要な人が利用できる状態にしたい」という場所で、入退室管理を見直す際の選択肢になります。物流拠点では施設の構造や既存の扉、利用人数、運用方法などによって適した設置方法が異なるため、実際の利用環境を確認したうえで検討することが重要です。
顔認証による入退室管理「FaceWatch」

FaceWatchは、顔認証を活用して入退室を管理するシステムです。顔を本人確認に利用するため、鍵やカードを持ち歩かずに認証できることが特徴です。たとえば、カードを携帯する運用が負担になりやすい場所や、本人確認を行いながら入退室を管理したいエリアなどで、選択肢の一つとして検討できます。一方で、顔認証がすべての物流拠点に適しているとは限りません。認証を行う場所の環境や人の動き、実際の作業方法なども含めて検討する必要があります。
配送品質を支えるために、物流拠点の管理にも目を向ける
前後編を通して見てきたように、配送品質は、荷物が配送車両に積み込まれてからだけで決まるものではありません。
入荷、保管、仕分け、積み込み、出庫、配送。それぞれの工程で適切な作業と管理が行われることで、安定した配送品質が支えられます。
そのなかで物流拠点の入退室管理は、荷物や情報を扱う場所を適切に管理するための方法の一つです。
すべての出入口を厳重に管理したり、最新の認証方式を導入したりすることが目的ではありません。まずは、拠点内のどこを管理する必要があるのか、誰がその場所を利用するのか、現在の管理方法にどのような課題があるのかを整理します。そのうえで、現場の業務を妨げずに続けられる方法を選ぶことが大切です。
配送品質を「届ける場面」だけの課題として捉えず、その前段階となる物流拠点の環境や管理体制まで目を向けることが、品質を継続して支えられる現場づくりにつながります。
入退室管理の方法を見直したい場合や、自社の物流拠点にどのような方法が適しているか検討されている場合は、拠点の環境や運用に合わせてご相談ください。
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エイト・シーズ株式会社(本社:東京都/代表取締役:渋谷 翔一朗)
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