イベント警備でトラブルが発生したら?現場スタッフを守る対応・記録・振り返りのポイント【後編】

【警備・イベント業界向け】安全対策

夏祭りや花火大会、スポーツイベント、展示会など、多くの来場者が集まるイベントでは、事前に警備体制を整えていても、当日の状況によって想定外の対応が必要になることがあります。
前編では、イベント繁忙期を迎える前に、スタッフの役割や対応範囲、来場者対応の基準、スタッフ同士の連携などを整理しておくことの大切さをご紹介しました。
では、実際に来場者とのトラブルが発生した場合、現場ではどのように対応すればよいのでしょうか。
トラブルへの備えでは、その場の対応方法だけでなく、どの段階で責任者へ引き継ぐのか、発生した状況をどのように記録するのか、その後の現場運営にどう生かすのかまで考えておくことが大切です。

後編では、イベント警備でトラブルが発生したときの対応から、記録、振り返り、次回の現場改善まで、スタッフを守るために考えておきたいポイントをご紹介します。

目次

事前の警備体制だけでなく「トラブル発生後」まで考える

イベント当日の状況を、事前にすべて予測することはできません。
来場者への案内や入場規制、待機列の整理、立入禁止エリアへの対応などを行うなかで、通常の案内では対応が難しい状況に発展することも考えられます。
そのような場面で、対応しているスタッフ本人に判断を任せ続けると、対応が長引いたり、スタッフの負担が大きくなったりする可能性があります。
大切なのは、現場スタッフがすべての問題をその場で解決することではありません。
「どこまで現場で対応するのか」「どの段階で責任者や主催者へ引き継ぐのか」「発生した状況をどのように共有するのか」といった流れをあらかじめ決めておくことで、トラブルが発生した際にも組織として対応しやすくなります。

前編でご紹介した事前の警備体制に加えて、後編ではトラブルが発生したときと、その後までを含めた体制について考えていきます。

イベント警備でトラブルが発生したときの対応を決めておく

トラブルが起きてから「誰に相談すればよいのか」「このまま自分が対応すべきなのか」と考えていては、現場スタッフの負担が大きくなります。
対応するスタッフだけに判断を任せないためにも、発生時の基本的な流れを共有しておくことが重要です。

現場スタッフが対応する範囲を決める

まず整理しておきたいのが、現場スタッフが対応する範囲です。
来場者への通常の案内や誘導であれば、その場のスタッフが対応できることも多いでしょう。一方、同じ説明を繰り返しても納得が得られない、対応が長時間に及んでいる、通常の案内では収まらないといった場合には、一人のスタッフだけで対応を続けることが適切とは限りません。
どこまでを現場スタッフが担当し、どこから先を責任者や主催者などへ引き継ぐのか。その境界をあらかじめ整理しておくことが大切です。
「自分で解決しなければならない」のではなく、一定の状況になったら次の担当者へ引き継ぐことも現場対応の一部として共有しておけば、スタッフも判断しやすくなります。

一人での対応が難しい場合は責任者へ引き継ぐ

トラブル対応では、引き継ぐタイミングも重要です。
たとえば、対応が長時間に及んでいる、相手の言動が強くなっている、通常の案内を続けても状況が変わらない、一人で安全に対応することが難しいと感じる――こうした状況では、周囲のスタッフや責任者へ応援を求める必要があります。
ここで重要なのは、「もう少し自分で対応できるかもしれない」と個人の判断だけに委ねないことです。
どのような状況になったら応援を求めるのかを事前に共有し、スタッフが迷わず引き継げる環境を整えておくことが、現場での孤立を防ぐことにつながります。
なお、暴言や威圧的な言動など、カスタマーハラスメントに該当する可能性のある行為への具体的な対応については、関連記事で詳しくご紹介しています。

引き継ぎ時に状況を共有する

責任者や別のスタッフへ対応を引き継ぐ際には、それまでに何が起きていたのかを伝える必要があります。
どのような要望や申し出があったのか、これまでにどのような案内をしたのか、相手の様子に変化はあったのか。こうした情報が共有されていないと、引き継いだ人が最初から状況を確認し直すことになりかねません。
来場者にとっても、同じ説明を何度も求められることは負担になります。
トラブル発生時には、対応する人を交代するだけでなく、それまでの経緯も含めて引き継ぐ必要があります。そして、状況を正確に共有するために考えておきたいのが「記録」です。

トラブル発生時の状況を確認できる環境も整える

イベント現場でトラブルが発生した場合、その場では対応することを優先するため、細かなやり取りまですべて覚えておくのは難しいものです。

しかし、対応後に状況を確認する際には、「いつ、どこで、何が起きたのか」「誰が対応したのか」「どのようなやり取りがあったのか」といった情報が必要になることがあります。そのため、スタッフの記憶だけに頼らず、必要な情報を後から確認できる環境を整えておくことも重要です。

スタッフの記憶だけに頼らない

トラブルが発生した直後には覚えていたことも、時間が経つにつれて細かな部分が曖昧になることがあります。
また、複数のスタッフが関わっていた場合には、それぞれが見聞きした内容や認識が異なることもあるでしょう。
だからこそ、発生した日時や場所、対応したスタッフ、やり取りの概要、その後どのように対応したのかなど、必要な情報を残せるようにしておくことが大切です。
記録の目的は、誰かの責任を追及することだけではありません。
何が起きていたのかを確認し、その後の対応を検討したり、同じような状況が起きた際の判断材料にしたりするためにも役立ちます。

映像・音声による記録も選択肢になる

現場の状況を確認する方法の一つとして、映像や音声を記録する機器を活用する方法もあります。
映像や音声が残っていれば、トラブル発生時の状況ややり取りを後から確認する際の手がかりになります。
ただし、映像・音声を記録する目的を「証拠を残すこと」だけに限定する必要はありません。
当時の状況を確認し、対応方法を振り返ったり、今後の現場運営を見直したりするための情報として活用することもできます。映像記録や抑止を活用したカスハラ対策については、関連記事でも詳しくご紹介しています。

トラブル対応を「その場限り」で終わらせない

トラブルが収まり、イベント運営を再開できれば、その場の対応としては一区切りです。
しかし、同じような状況が次のイベントでも起こる可能性を考えると、「対応できたから終わり」ではなく、その経験を次の現場に生かすことも大切です。
発生した状況や対応内容を振り返ることで、事前には気づかなかった運用上の課題が見えてくることがあります。

発生状況と対応を振り返る

振り返る際には、「トラブルがあった」という結果だけを見るのではなく、その前後の状況まで確認します。
どのような場面で問題が起きたのか、どの時点から通常の対応では難しくなったのか、責任者への引き継ぎは適切なタイミングで行えたのか、スタッフ同士の情報共有は十分だったのか。
こうした点を確認することで、対応そのものだけでなく、現場の運用に改善できる部分がなかったかを考えられます。
スタッフ個人の対応の良し悪しだけに焦点を当てるのではなく、体制やルールの側に見直せる点がないかという視点を持つことが重要です。

次回の警備体制・対応ルールへ反映する

振り返りで見つかった課題は、次回のイベント運営に反映していきます。
たとえば、来場者への案内が分かりにくかったのであれば説明方法を見直す、特定の場所で対応が集中したのであればスタッフ配置を検討する、責任者への連絡に時間がかかったのであれば連絡方法を整理する、といった改善が考えられます。
応援を求める基準や引き継ぎ方法についても、実際の対応を踏まえることで、より現場に合った内容へ調整できます。
トラブルの記録は、発生した事実を残すためだけのものではありません。
対応 → 記録 → 振り返り → 改善までつなげることで、次のイベントに向けた現場づくりに生かせます。

映像・音声を活用して現場スタッフを守る「MM beans®」

ここまで見てきたように、イベント警備のトラブル対応では、現場スタッフが対応する範囲や引き継ぎの方法を決め、発生した状況を記録し、その後の改善につなげていくことが基本です。
そのうえで、状況の記録やトラブル対応を補助する方法の一つとして、映像・音声を記録できる機器を活用する方法があります。
エイト・シーズでは、カスハラ・トラブル対策カメラ「MM beans®(エムエムビーンズ)」を取り扱っています。

映像・音声で状況を残す

MM beans®は、映像と音声を記録できます。
来場者との間でトラブルが発生した際に、当時の状況ややり取りを後から確認するための記録として活用できます。
スタッフの記憶や口頭での報告だけでは確認が難しい場合にも、状況を振り返るための手段の一つになります。

FMS機能で「撮影されている」ことを認識してもらう

MM beans®には、対応している相手を本体モニターに表示するFMS機能があります。
相手自身の姿をモニターに表示することで、撮影されていることを認識してもらう仕組みです。
映像・音声を記録するだけでなく、カメラの存在を認識してもらうことで、暴言や威圧的な言動などの抑止を補助する役割も期待できます。
ただし、機器を設置することですべてのトラブルを防げるわけではありません。人的な対応体制や現場の運用を整えたうえで、スタッフを守るための補助的な手段として位置づけます。

警告音・フラッシュライトで注意を促す

MM beans®には、警告音とフラッシュライトによるアラート機能も備わっています。
必要な場面で音や光によって相手に注意を促し、現場でのトラブル対応を補助します。
MM beans®はスタンドアロン型の機器であり、管理室への自動通知や、離れたスタッフへの応援要請を行う機器ではありません。
そのため、責任者への連絡やスタッフ同士の応援体制については、機器とは別に現場の運用として整えておく必要があります。

まとめ|スタッフを守るには「発生時」と「発生後」まで考える

イベント警備におけるトラブルへの備えでは、トラブルを未然に防ぐための体制だけでなく、実際に発生した場合の対応と、その後の振り返りまで考えておくことが重要です。
現場スタッフがどこまで対応するのか、どの段階で責任者へ引き継ぐのかを明確にし、必要な情報を共有できるようにしておく。さらに、発生した状況や対応内容を記録し、現場のルールや配置、連絡方法などの見直しにつなげます。
トラブルをその場で収めることだけをゴールにせず、発生時の対応から記録、振り返り、次回の改善までを一つの流れとして考えることが、スタッフ個人だけに負担を集中させず、現場全体で対応するための土台になります。

映像・音声による記録や、警告・抑止を補助する機器を取り入れる場合も、現場の対応体制と組み合わせながら、自社の運用に合った方法を検討する必要があります。

お問い合わせはこちらまで
エイト・シーズ株式会社(本社:東京都/代表取締役:渋谷 翔一朗)
コンサルティングチーム
cs@8-seas.jp

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