停電・臨時休業時の店舗防犯|小売店で確認したい防犯対策のポイント【後編】

【小売業界向け】安全対策

台風の接近に伴って営業時間を短縮したり、臨時休業を決めたりすると、店舗では平時とは異なる対応が必要になります。
前編では、営業時間やスタッフ配置、開閉店の流れなど「いつもの店舗運営」が変われば、防犯についても平時とは異なる視点が必要になることをご紹介しました。
台風・停電時に店舗防犯を見直す理由については、前編で詳しくご紹介しています。
【前編|台風・停電時の店舗防犯について詳しく見る】
では、実際に台風の接近が予想されるとき、店舗ではどのような点を確認しておけばよいのでしょうか。

後編では、台風接近前の準備から営業時間の変更・臨時休業、停電、営業再開まで、非常時にも店舗の「守り」を切らさないために確認したいポイントを、店舗運営の流れに沿ってご紹介します。

目次

非常時の店舗防犯は「いつも通り使える」と考えない

普段の店舗では、決められたスタッフが開店・閉店作業を行い、出入口やバックヤードを管理しながら営業しています。防犯カメラや入退室管理などの設備も、日常の店舗運営のなかで利用されています。
しかし、台風の接近などによって営業時間やスタッフ配置が変われば、普段の役割分担や確認の流れも変わります。停電や通信障害が発生した場合には、店舗で利用している設備やシステムの一部が通常どおり利用できなくなることも考えられます。
非常時の店舗防犯で確認したいのは、平時の対策をそのまま増やすことではありません。

「普段は誰が確認しているのか」「その人がいない場合は誰が対応するのか」「設備が通常どおり利用できない場合はどうするのか」など、平時の運用から変わる部分を整理しておくことがポイントです。

台風接近前に確認したい店舗防犯のポイント

台風の影響が予想される場合は、営業時間の変更や臨時休業が決まってから対応を考えるのではなく、事前に防犯に関わる運用も確認しておくと、その後の状況変化に対応しやすくなります。

営業時間変更・臨時休業時の対応者を決める

まず確認しておきたいのが、営業体制が変わったときの役割分担です。
営業時間を短縮する場合、誰が閉店時の確認を行うのか。臨時休業する場合、最終確認を誰が担当するのか。責任者が不在の場合には、誰が代わって判断するのか。
平時の担当者だけを前提にしていると、交通機関の運休や勤務変更などによって予定していたスタッフが出勤できない場合に、対応する人が曖昧になることがあります。
担当者だけでなく、不在時に引き継ぐ人や確認する範囲まで整理しておくと、急な営業変更にも対応しやすくなります。

施錠・入退室管理の運用を確認する

店舗には、来店客が利用する出入口だけでなく、従業員用の出入口、バックヤード、事務所、倉庫など、管理が必要な場所があります。
通常営業では問題なく運用できていても、スタッフの勤務時間や人数が変われば、鍵を管理する人や施錠を確認する人も変わるかもしれません。
誰が鍵を管理しているのか、誰がどの場所へ入れるのか、通常とは異なる時間に閉店する場合でも同じ方法で管理できるのか。
非常時だけ別の仕組みを用意するというより、まずは現在の施錠・入退室管理が、営業体制の変化にも対応できるかを確認します。

防犯設備の電源・非常時の動作を確認する

防犯カメラや入退室管理システムなどを利用している店舗では、それぞれの設備が停電や通信障害の際にどのような状態になるのかも確認しておきたいポイントです。
停電したからといって、すべての防犯設備が停止するとは限りません。一方で、平時とまったく同じ状態で利用できるとも限りません。
バックアップ電源や非常電源の有無、通信が途絶えた場合の動作、停電時の施錠・解錠の状態、復電後に必要な操作などは、設備やシステムによって異なります。
自店舗で使用している設備について、非常時の動作を取扱説明書や仕様書、設置事業者などを通じて確認し、必要な対応を把握しておくことが大切です。

営業時間変更・臨時休業時に確認したいこと

営業時間の変更や臨時休業が決まったら、通常とは異なる開閉店の流れを前提に店舗内を確認します。 特に、出入口やバックヤード、商品・売上金などは、誰が確認するのかまで含めて、あらかじめ整理しておくと安心です。

通常と異なる開閉店時の出入口管理

営業時間を短縮すると、普段とは異なる時間に来店客への案内、閉店作業、スタッフの退勤などが進むことになります。 店舗の正面入口だけでなく、従業員用出入口や搬入口など、普段利用している出入口についても、閉店時に誰が施錠状態を確認するのかを明確にします。
また、店舗によってはテナントや清掃、納品など、店舗スタッフ以外の人が出入りすることもあります。
通常と営業時間が変わる場合には、それぞれの出入りがいつまで続くのかも含めて確認しておくと、閉店後の管理状況を把握しやすくなります。

バックヤード・在庫エリアへの入退室

バックヤードや倉庫、事務所などは、商品や備品、書類などを保管していることもあり、売場とは異なる管理が必要な場所です。
営業時間が変わった場合でも、納品や片付けなどのために人の出入りが続くことがあります。
誰がどのエリアを利用するのか、業務上必要のない人まで入れる状態になっていないかなど、現在の入退室ルールと実際の運用にずれがないかを確認します。
鍵を共用している場合には、誰が所持しているのか分からなくなっていないか、返却や保管が適切に行われているかも確認しておきたいところです。

売上金・商品・重要物品の管理

営業時間の短縮や臨時休業によって、売上金の回収や商品の管理なども普段とは異なる流れになることがあります。
その場合は、普段どおりの担当者や手順を前提にせず、誰がどこまで対応するのかを確認します。
商品だけでなく、店舗で使用する鍵や重要な書類、業務端末などについても、営業終了後にどこでどのように管理するのかを整理しておくとよいでしょう。

誰が最後に確認したのかを残す

急な営業時間変更や臨時休業では、通常とは異なる担当者が閉店作業を行うこともあります。
そのようなときに「誰かが確認したはず」という状態にしないためには、施錠や店舗内の確認を誰が行ったのかを残せる運用が役立ちます。
確認表や業務記録など、店舗で続けやすい方法を使い、確認した項目と担当者が分かるようにしておけば、引き継ぎや営業再開時の確認にもつなげやすくなります。

停電時に確認したい防犯設備と店舗運用

停電が発生したときに注意したいのは、「電気が止まったら防犯設備もすべて使えない」と決めつけないことです。
防犯設備の動作は、機器の仕様や設置環境、電源構成などによって異なります。
たとえば、防犯カメラ、録画装置、電子錠、入退室管理システムなど、それぞれがどの電源や通信環境を利用しているのかによって、停電時の状態は変わります。 自店舗の設備について、平時のうちに次の点を確認しておきます。

  • 停電するとどの機能が停止するのか
  • バックアップ電源や非常電源があるのか
  • 通信が利用できない場合はどうなるのか
  • 扉の施錠・解錠はどのような状態になるのか
  • 復電後に操作や確認が必要なのか

また、設備が通常どおり利用できない場合に、店舗側でどのような対応を取るのかもあわせて整理しておく必要があります。 設備の仕様を把握することと、その状態に応じた店舗運用を決めておくこと。この二つを組み合わせて考えることで、停電時にも「何が使えて、何を人が補う必要があるのか」を判断しやすくなります。

営業再開時にも防犯確認を行う

台風が通過したり、停電から復旧したりすると、店舗では営業再開に向けた準備が始まります。
このとき、「営業を再開できる=防犯も元どおり」と考えず、店舗の状態を改めて確認します。
出入口や扉の施錠状態に問題はないか。防犯設備は正常な状態に戻っているか。バックヤードや商品、備品などに異常はないか。臨時休業中や停電中の記録に確認すべき点はないか。
こうした点を確認したうえで、通常の店舗運営へ戻していきます。
特に停電が発生した場合は、復電しただけで設備がすべて自動的に通常状態へ戻るとは限りません。必要な操作や確認は設備によって異なるため、自店舗で使用している機器の仕様に沿って確認することが必要です。
非常時の防犯は、店舗を閉めたところで終わるものではありません。
台風接近前の準備から、営業時間の変更や臨時休業、停電、そして営業再開までを一つの流れとして捉えることで、防犯運用の抜けを見つけやすくなります。

設備と仕組みで「非常時の守り」を支える

ここまで見てきたように、非常時の店舗防犯では、誰が確認するのか、どこへの出入りを管理するのかといった運用を整理する必要があります。
一方で、鍵の受け渡しや担当者の記憶だけに頼る運用では、スタッフの勤務状況が変わったときに管理が複雑になることもあります。
そのような場合には、誰がどこへ出入りできるのかを管理・確認できる仕組みを取り入れることも選択肢の一つです。エイト・シーズでは、入退室管理システムとして「LOCKMAN(ロックマン)」と「FaceWatch(フェイスウォッチ)」を取り扱っています。

電子錠による入退室管理「LOCKMAN」

LOCKMANは、扉の施錠・解錠を電気的に管理する入退室管理システムです。
物理的な鍵だけに頼らず、利用者に応じた入室管理を行えるため、店舗内で立ち入り可能なエリアを分けたい場合などに活用できます。
たとえば、バックヤードや事務所など、業務上必要な人が利用できる状態にしたい場所で、入退室管理を見直す際の選択肢になります。
ただし、設置する扉や店舗の環境、利用人数、現在の運用などによって適した方法は異なります。実際の利用環境を確認したうえで検討する必要があります。

※LOCKMANの停電時の動作については、製品仕様・設置環境をご確認ください。

顔認証による入退室管理「FaceWatch」

FaceWatchは、顔認証を活用して入退室を管理するシステムです。
顔を本人確認に利用するため、鍵やカードを持ち歩かずに認証できることが特徴です。
バックヤードや事務所など、本人確認を行いながら入退室を管理したい場所で、選択肢の一つとして検討できます。
一方で、顔認証を導入すれば、すべての店舗で使いやすくなるわけではありません。認証を行う場所の環境や人の動き、実際の業務方法なども含めて検討する必要があります。

※FaceWatchの停電時の動作については、製品仕様・設置環境をご確認ください。

まとめ|非常時でも店舗の「守り」を切らさないために

台風や停電への備えでは、来店客や従業員の安全確保を優先しながら、営業時間の変更や臨時休業などを判断することになります。
その際、防犯についても「平時と同じ運用を続けられるか」という視点から確認しておくことが必要です。
台風接近前には、非常時の役割分担や施錠・入退室管理、防犯設備の動作を確認する。営業時間を変更したり臨時休業したりするときには、出入口やバックヤード、商品・重要物品などの管理状況を確認する。停電時には、設備の仕様と店舗側の対応を把握する。そして営業再開時には、防犯設備や店舗内の状態を確認してから通常運用へ戻す。

非常時だけ特別な防犯対策を追加するのではなく、平時から営業再開までのなかで「いつもの運用から何が変わるのか」を確認し、その変化に合わせて防犯の方法を整えておくことが、店舗の守りを継続するための土台になります。 入退室管理について見直す場合も、設備を導入すること自体を目的にせず、店舗内のどこを管理する必要があるのか、誰が利用するのか、現在の運用にどのような課題があるのかを整理したうえで、自店舗に合った方法を検討します。

お問い合わせはこちらまで
エイト・シーズ株式会社(本社:東京都/代表取締役:渋谷 翔一朗)
コンサルティングチーム
cs@8-seas.jp

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